米下院民主党、SEC権限拡大の独自暗号資産市場構造法案を検討と報道
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米下院民主党が、次の議会に向けて独自の暗号資産市場構造法案を協議していると報じられました。米政策記者のエレノア・テレット氏が業界関係者3人の話として伝えたもので、SEC(証券取引委員会)の監督範囲を広げ、CFTC(商品先物取引委員会)の役割を縮める案が含まれるとされます。法案の条文は公表されていません。
この記事のポイント
- 米下院民主党が独自の暗号資産市場構造法案を協議していると、業界関係者の話として報じられた。
- 構想はSECの役割を広げCFTCの役割を縮める内容とされ、共和党主導のクラリティー法案と方向性が逆になる。
- ウォーターズ下院議員が2025年に提出し不採用となった修正案や、上院での超党派合意条項を取り込む案とされる。
- トランプ大統領ら連邦高官の暗号資産活動を制限する倫理条項が加わる可能性が高いと伝えられた。
- 法案の条文は未公表で、詳細は議員本人ではなく業界関係者の話に基づいている。
基本情報
| 主体 | 米下院民主党 |
|---|---|
| 報道 | エレノア・テレット氏が業界関係者3人の話として報道 |
| 想定内容 | SECの役割拡大、CFTCの役割縮小、倫理条項の追加 |
| ベース | ウォーターズ議員の「暗号資産投資家・消費者権利章典」 |
| 条文 | 現時点で未公表 |
| 対抗法案 | クラリティー法案(2025年7月に下院通過) |
| 上院採決 | 9月15日の討論終結採決で49対50、不成立 |
| 会期末 | 2027年1月3日 |
記事作成時点の価格
記事作成時点(2026/11/05 06:20)の価格。出典: CoinGecko最新の価格ではありません(時刻は日本時間)。
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民主党が協議する暗号資産市場構造法案の中身
Bitcoin MagazineやCoinPostによると、米政策記者のエレノア・テレット氏が、民主党スタッフと話した業界関係者3人の話として構想を伝えました。下院金融サービス委員会の民主党筆頭、マキシン・ウォーターズ議員がまとめた「暗号資産投資家・消費者権利章典」を土台に、次の議会で包括的な市場構造法案へ広げる案です。市場構造法案とは、暗号資産市場のルールや規制当局の所管を定める法案を指します。
報道によれば、構想には二つの要素が加わります。一つは、ウォーターズ議員が下院審議で示したものの採用されなかった民主党側の条項です。もう一つは、9月の上院採決の前に上院民主党が共和党と合意できていた条項です。
さらに、トランプ大統領をはじめとする連邦政府高官の暗号資産関連の活動を制限する倫理条項も加わる可能性が高いとされています。一方で、条文はまだ公表されていません。現時点の情報は議員の公式発表ではなく、業界関係者の説明に基づくものです。共和党側はこの構想を、政治的な主張を示すための「メッセージング法案」だと位置付けていると報じられています。
SECかCFTCか、クラリティー法案との違い
民主党案が共和党案と最も大きく異なるとみられるのが、監督当局の役割分担です。下院を通過したクラリティー法案は、暗号資産の現物取引の多くをCFTCの監督下に置く設計です。対象には取引所やブローカー、ディーラーが含まれます。成熟したブロックチェーン上のトークンは、一定の条件でSECへの登録を免除する仕組みも盛り込まれています。
Bitcoin Magazineは、この設計こそ業界が支持してきたものだと指摘しています。監督の重心をSECへ戻す法案は、その流れを逆転させることになります。どの当局が監督するかは、取引所の登録要件やトークンの扱いを左右します。そのため、業界にとって大きな論点になり得ます。
ウォーターズ修正案とクラリティー法案の経緯
ウォーターズ議員は2025年7月、クラリティー法案(H.R. 3633)への修正案31号として権利章典を提出しました。しかし、下院議事運営委員会が党派に沿った4対8の票決で審議対象とすることを認めず、本会議での採決には至りませんでした。委員会の記録によると、修正案には24時間365日の顧客サポートや、SIPC(米国の証券投資家保護制度)に類する補償が含まれていました。受託者責任、最良執行、フロントランニング(顧客注文に先回りする取引)の禁止も求めていました。ほかに、倒産隔離された保管と24時間以内の出金、監査人の証明付きで毎月行う準備金証明なども柱でした。
同じ委員会では、議員や大統領・副大統領によるデジタル資産の発行や推奨を禁じる別の民主党修正案も、同じ4対8で退けられました。この倫理をめぐる対立は、その後の上院審議にも持ち越されました。
クラリティー法案自体は2025年7月に下院を294対134で通過しました。しかし、9月15日の上院の討論終結採決では49対50となり、必要な票数に届きませんでした。ティリス上院議員が再審議の動議を出しており、再採決の余地は残っています。ただ、2027年1月3日に現議会の会期が終わるまでに成立しなければ廃案となり、次の議会で出し直す必要があります。
中間選挙での民主党勝利と業界への影響
今回の協議は、米中間選挙で民主党が議会を制した直後に伝えられました。CoinPostはロイター通信などの報道として、民主党が上院54議席、下院225議席を確保したと伝えています。1月にはウォーターズ議員が、クラリティー法案の提出者であるフレンチ・ヒル委員長に代わり、下院金融サービス委員長に就く見通しです。
Bloomberg Lawは、新たな多数派が業界の最優先法案であるクラリティー法案に対する交渉力を民主党に与えたと報じました。その手始めが、トランプ氏の事業を念頭に置いた倫理規定の強化だとしています。上院銀行委員会のギャレゴ上院議員は、業界と共和党は失敗したとの認識を示しました。そのうえで「あれが彼らに得られる最良の法案だった」と語ったと伝えられています。
TD Cowenのジャレット・サイバーグ氏は、選挙結果によってクラリティー法案の道が2年間閉ざされたとの見方を示しました。トランプ一家の暗号資産事業に対する民主党の調査で、業界が支持できる法案の前進が難しくなる可能性にも触れています。CoinPostによると、業界は今回の選挙サイクルで1億7,000万ドル超を投じましたが、暗号資産に前向きな共和党下院議員3人が議席を失いました。
今後の注目点は条文公表と会期末の動き
当面の焦点は、民主党が実際に法案の条文を公表するかどうかです。公表されれば、SECとCFTCの権限をどう線引きするのかが確認すべき点になります。倫理条項の対象範囲や、上院で超党派合意済みとされる条項がどこまで残るのかも注目されます。
民主党案が法律になるには、トランプ大統領の署名が必要です。SEC中心の法案が共和党から十分な支持を集められるのか、それとも共和党の言う「メッセージング法案」にとどまるのか。この点が次の議会の出発点になるとBitcoin Magazineは指摘しています。あわせて、2027年1月3日の会期末までにクラリティー法案が再び動くかどうかも確認が必要です。
よくある質問
- Q.民主党の暗号資産市場構造法案はすでに提出された?
- A.提出されていません。条文は公表されておらず、内容は民主党スタッフと話した業界関係者3人の説明として報じられた段階です。
- Q.民主党案とクラリティー法案は何が違う?
- A.報道によると、民主党案はSECの役割を広げ、CFTCの役割を縮める方向です。現物取引の多くをCFTCの監督下に置くクラリティー法案とは逆の設計とされます。
- Q.クラリティー法案は今後どうなる?
- A.9月15日の上院採決で49対50となり、前に進めませんでした。再審議の動議は出ていますが、2027年1月3日の会期末までに成立しなければ廃案になります。
出典・参考情報
- Bitcoin Magazine米下院民主党、選挙圧勝後にSEC権限拡大の独自暗号資産市場構造法案を検討
原題: House Democrats Eye Their Own Crypto Market Structure Bill With a Bigger SEC Role After Sweep
- CoinPost米下院民主党、クラリティー法案を協議 SEC監督権限の拡大案も
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