ビットコイン開発者、量子盗難に担保で対抗する3案を提案

ビットコインのソフトウェア開発者コーリー・フィールズ氏は、11月5日に開発用メーリングリストへ投稿し、量子コンピュータによる将来の盗難を抑止する3つの仕組みを提案した。いずれも、旧形式のアドレスの資金を動かす人に同額のビットコインを担保として求め、盗む側が担保を失う可能性を作る設計だ。実装の詳細は今後の検討に委ねられている。
この記事のポイント
- ビットコインコア開発者のコーリー・フィールズ氏が、量子コンピュータによる盗難対策の3案を提案
- 3案はいずれも、旧形式アドレスの資金を動かす際に同額の担保を求める設計
- 担保によって攻撃者が損失を負う可能性を作り、盗む動機をなくすのが狙い
- 提案は思考実験の段階で、実装方針や望ましい結果はまだ定まっていない
基本情報
| 銘柄 | ビットコイン(BTC) |
|---|---|
| 提案者 | コーリー・フィールズ氏(Bitcoin Core開発者) |
| 発表方法 | 開発用メーリングリストへの投稿 |
| 発表日 | 11月5日 |
| 提案数 | 3案(量子地雷、ステーク型、サッツ・オークション) |
| 対象 | 量子耐性を持つ新形式の導入前に使われた旧アドレスの資金 |
| 実装状況 | 未定。思考実験として提示 |
記事作成時点の価格
記事作成時点(2026/11/07 09:48)の価格。出典: CoinGecko最新の価格ではありません(時刻は日本時間)。
| 銘柄 | 価格(米ドル) | 価格(円) | 24時間の変化率 |
|---|---|---|---|
| BTCビットコイン | $75,846 | ¥12,018,878 | -0.54% |
3案の仕組みと担保で盗みを抑える狙い
Bitcoin Core(ビットコインのソフトウェア)の開発者であるコーリー・フィールズ氏は、11月5日にビットコインの開発用メーリングリストへ投稿し、量子コンピュータによる将来の盗難を抑止するための3つの仕組みを提案した。CoinPostの報道によると、いずれの案も、量子コンピュータによる攻撃が可能になった後に旧アドレスのビットコインを動かす際、同額のビットコインを担保として求める設計だ。盗もうとする側が担保を失う可能性を作り、動機をなくすことを狙っている。
旧アドレスとは、量子コンピュータに耐える新しい形式のアドレスが導入される前から使われている形式を指す。資金を動かす人が持ち主なのか攻撃者なのかは外から見分けられないため、動かす全員に担保を求める前提になっている。
3案のうち「量子地雷(Quantum Landmines)」は、持ち主があらかじめ仕掛けを用意しておく方式だ。持ち主は量子耐性のある形式の出力へ少額のビットコインを置き、証明を通常は表に出ない形で準備しておく。攻撃者が担保を付けて資金を動かしても、持ち主は提案の例で示された30日の待機期間中に証明を示し、資金を自分の鍵へ移したうえで攻撃者の担保を得られるとされる。
ステーク型とサッツ・オークションの違い
もう一つのステーク型は、仕掛けを用意していない資金への対策として挙げられた。秘密鍵が失われたとみられる資金も多いため、地雷がないと攻撃者に判断されるおそれがあるという問題意識からだ。この方式では、第三者があらかじめ入札額を決め、自分のビットコインを入札の裏付けとして確保(ステーク)しておく。地雷の期限が過ぎた後に入札し、攻撃者の担保を得る仕組みとされる。
この場合、盗まれた資金は元の持ち主には戻らず焼却され、誰も使えなくなると説明されている。
サッツ・オークションは事前のステークを必要としない案だ。最高額の入札者が資金から入札額を差し引いた残りを得る一方、2番目の入札者は入札額を失う。そのため入札額が競り上がり、攻撃者が担保をすべて失う可能性があるとされる。
業界の論点と提案が思考実験にとどまる理由
フィールズ氏は、実装の詳細は今後の検討に委ねるとし、3案はあくまで思考実験として示したものだと説明した。どの結果が望ましいかも定まっていないと述べており、提案が採用されたり実装されたりすることが決まった事実は報じられていない。
論点として、量子コンピュータによる解読の時期はまだ見通せていない。CoinPostはグーグルが3月に、ビットコインの署名暗号を破るのに必要な量子ビットを50万個未満と推計したと伝えている。ただ現在の量子コンピュータの規模はこれを大きく下回り、解読はまだ実現していないとされる。
また、担保を求める仕組みは、誰がどの資金を動かしたかを判断する方法や、持ち主が待機期間内に証明を示せるかといった運用面の課題を含む。CoinDeskも同じ提案を伝えており、今後の議論の行方を確認していく必要がある。
よくある質問
- Q.量子地雷とは何ですか?
- A.持ち主が事前に少額のビットコインと証明を仕込んでおき、旧アドレスの資金を不正に動かされた場合に攻撃者の担保を得られるようにする提案の仕組みです。フィールズ氏が示した3案の一つで、持ち主が待機期間中に証明を示す前提になっています。
- Q.この提案は実装されているのですか?
- A.現時点で実装は決まっていません。フィールズ氏は実装の詳細を今後の検討に委ね、3案は思考実験として示したと説明しています。
- Q.量子コンピュータによる盗難は、すでに起きているのですか?
- A.報道では、量子コンピュータによるビットコインの解読はまだ実現していないとされています。担保を求める仕組みは、将来の攻撃に備えた事前の議論です。
出典・参考情報
- CoinPostビットコインコア開発者フィールズ氏、量子計算機によるBTC盗難対策で担保要求3案を提案
原題: 量子コンピュータによるBTC盗難に担保で対抗、ビットコインコア開発者が3案提案
- CoinDeskビットコイン開発者、量子コンピュータ攻撃への対抗策「地雷」機構を提案
原題: Bitcoin developer proposes ‘landmines’ to make quantum thieves lose their own BTC
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