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OFACがカナダの送金業者8社を制裁指定、イラン関連の暗号資産取引

公開 文: 出典: TRM Labsコメント
OFACがカナダの送金業者8社を制裁指定、イラン関連の暗号資産取引
画像: AI生成イラスト

米財務省外国資産管理局(OFAC)は11月6日、カナダに拠点を置く送金サービス企業(MSB)8社を制裁対象に指定した。OFACによると、対象企業の多くは制裁対象のイランのデジタル資産取引所や、イスラム革命防衛隊(IRGC)と関係するとされるアドレスとの取引を仲介していた。指定はイラン経済のデジタル資産分野での事業活動を理由としている。

この記事のポイント

  • 米財務省OFACは2026年11月6日、カナダ拠点の送金サービス企業8社を制裁対象に指定した。
  • OFACは、対象の多くがイラン制裁対象の取引所やIRGC関連アドレスとの取引を仲介したと主張している。
  • 指定された企業のうち4社には、TRON上のアドレス6件が制裁リストで公開された。
  • 麻薬密売人ライアン・ウェディングの資金洗浄に関わったとの指摘も示されている。
  • ブロックチェーン分析で示せるのは資金の移動までで、当事者の認識や意図は確認されていない。

基本情報

指定機関米財務省外国資産管理局(OFAC)
指定日2026年11月6日
対象カナダ拠点の送金サービス企業(MSB)8社
根拠大統領令13902号(E.O. 13902)
作戦名Operation Economic Outcast
公開アドレスTRON上の6件(指定4社分)
分析TRM Labsがオンチェーンデータを分析して公表

カナダの8社が制裁対象になった経緯と内容

OFACは、カナダのオンタリオ州とブリティッシュコロンビア州の企業8社を、大統領令13902号に基づいて指定した。OFACによると、これらの企業はイランの通貨リアルなどの法定通貨を暗号資産に換えていたとされる。指定された名称には、Million Exchange、Amin Exchange、Farah Exchange、Cryptoyal などが含まれる。

OFACの制裁リストには、このうち4社に関連するTRON上のアドレス6件が掲載された。TRM Labsは、これらのアドレスを関連する事業体と結び付けて整理している。ただし、制裁の根拠となる認定はOFACの主張であり、TRM Labsも、ブロックチェーン分析では資金の移動は確認できても、当事者の認識や意図までは立証できないとしている。

ライアン・ウェディング事件と資金の流れの分析

OFACによると、一部の企業はOFACが2025年11月に制裁対象に指定した麻薬密売人ライアン・ウェディング(Ryan Wedding)の犯罪収益の洗浄にも関わったとされる。ウェディングは2026年1月に逮捕されている。

TRM Labsの分析では、Million Exchange のアドレスは2025年1月から2026年2月の間に約1億2070万ドルを受け取り、約1億2180万ドルを送金した。月間の取引額は2026年1月に約1940万ドルへ膨らんだが、2月には約140万ドルに減少した。逮捕後はほぼ動きが止まっていると分析されている。

TRM Labsはさらに、Amin Exchange、Million Exchange、NIA Nations の3者間で2025年6月から2026年8月の間に少なくとも190万ドルの移動があったとしている。既に制裁を受けている事業者との間でも約67万8000ドルのやり取りが確認されたという。

イラン関連の制裁の流れと業界への影響

今回の指定は、OFACによるイラン関連のデジタル資産分野への制裁の一環とされる。OFACは2026年6月2日にイランの取引所Nobitex、Wallex、Bitpin、Ramzinexを指定し、8月7日にはAban Tether Exchange と SHPS Shelbit を指定している。今回はイラン国内の取引所から、カナダで現地通貨を暗号資産に換える事業者へと対象が広がった形だ。

暗号資産を扱う事業者にとっては、制裁対象アドレスとの照合や、現地通貨を扱う業者との取引の見直しが実務上の論点になる。OFACは、米国人に制裁違反を起こさせることを非米国人にも禁じており、外国の金融機関も制裁対象との取引で制裁を受けるおそれがあると注意を促している。

今後の確認ポイントと残る課題

OFACは、対象企業の一部が社名を変更していると説明しており、制裁リストには別名も記載されている。取引相手を確認する際は、社名だけでなく別名やアドレスでも照合する必要があるとされる。

TRM Labsは、関連するアドレスは今後も追加していくとしている。一方で、指定の根拠となる事実関係はOFACの主張であり、司法手続きなどで確認されていない点に注意が必要だ。今後の追加指定や、対象企業の動向を公式発表で確認することが求められる。

よくある質問

Q.制裁対象になったのはどの企業ですか?
A.OFACが公表したリストには、Million Exchange、Amin Exchange、Farah Exchange、Cryptoyal などが含まれる。一部の企業は社名を変更しており、別名もリストに記載されている。
Q.制裁の根拠や作戦名は何ですか?
A.根拠は大統領令13902号で、作戦名は「Operation Economic Outcast」とされる。イラン経済のデジタル資産分野で事業を行ったことが理由として挙げられている。
Q.ブロックチェーン分析では何がわかりますか?
A.TRM Labsの分析では、アドレス間の資金移動や取引額を追跡できる。ただし、当事者の認識や意図までは示せないと、同社自身が説明している。

出典・参考情報

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