チェイナリシス、侵害でパスワードハッシュと有効トークンの露出を公表

ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)は、サイバー攻撃により全ユーザーのパスワードハッシュと有効なトークンが攻撃者に露出したと公式に明らかにした。当初は機密性の低い顧客データだけが対象とされていたが、米東部時間11月4日の更新で被害範囲が広がった。同社は取引監視に使うKYTなどの復旧作業を進めている。
この記事のポイント
- チェイナリシスは全ユーザーのパスワードハッシュと有効なトークンが露出したと公表した
- 初報の機密性のない顧客データという説明から、被害範囲が修正された
- 一部顧客では攻撃でパスワードそのものが露出し、該当アカウントはロックされている
- 主力ツールの停止が続き、顧客にはパスワードの再設定とAPIキーの更新が求められている
基本情報
| 企業 | チェイナリシス(ブロックチェーン分析企業) |
|---|---|
| 初報 | 10月30日、ユーザーIDや氏名などの露出を説明 |
| 被害範囲の更新 | 米東部時間11月4日、パスワードハッシュと有効トークンを追加 |
| 露出した情報 | 氏名、ユーザー名、パスワードハッシュ、ライブトークン |
| 一部の被害 | オンパス攻撃により一部顧客のパスワードが露出 |
| 停止中の製品 | Reactor、Data Solutions(11月2日に予防的に停止) |
| 復旧の方針 | 米東部時間11月5日に復旧を開始する方針を提示 |
全ユーザーのパスワードハッシュ露出と初報からの修正
チェイナリシス(Chainalysis)は米東部時間11月4日、サイバー攻撃に関する告知を更新した。同社によると、11月2日に全ユーザーの氏名、ユーザー名、パスワードハッシュ、ライブトークンが悪意のある第三者に露出していたことを確認したという。パスワードハッシュは元のパスワードを直接読み取れない形に変換した値で、ライブトークンはログイン状態を保つために発行される有効な認証トークンを指す。
10月30日の初報では、アクセスされたのはユーザーIDや氏名、メールアドレスなどに限られ、認証情報やセッショントークンへの不正アクセスは確認されていないと説明していた。今回の更新で認証に関わる情報まで対象が広がったことになる。同社は、どの情報がどの利用者に露出したかを明らかにしておらず、Cointelegraphの取材にも公表済みの内容以上は答えていないと報じられている。
一部顧客のパスワード露出とアカウント保護の対応
同社は11月4日朝の更新で、オンパス攻撃と呼ばれる手口によって一部顧客のパスワードそのものが露出したと明らかにした。攻撃の経路は封じ込めと修復を終えたとしており、該当するアカウントはロックされ、利用者にはメールで通知が行われている。
一方で、同社は調査データへのアクセスや、アドレスの持ち主を特定する帰属データの改ざんを示す証拠は現時点で確認されていないとしている。CoinPostは、同じパスワードを他のサービスでも使っている場合は、そちらも変更するよう同社が呼びかけたと伝えている。
KYTの停止と再開計画、マネロン対策への影響
同社は11月2日、主力の調査ツールReactorとデータ製品Data Solutionsを予防的に停止した。KYT(Know Your Transaction)は、仮想通貨の送受金をリアルタイムで監視し、不正資金とのつながりをリスクとして判定するツールで、取引所などがマネーロンダリング対策(AML)に使っている。
再開の手順では、顧客が信頼できるIPアドレスを同社に伝えて許可リストに登録し、そのうえでパスワードの再設定とAPIキーの更新を行う。同社は米東部時間11月5日にKYTとアドレススクリーニングの復旧を始める方針を示したが、日本時間11月6日時点で公式ブログに復旧開始の記載はないとCoinPostは伝えている。
監視体制を利用する事業者にとっては、代替手段の確保も課題になる。英エリプティック(Elliptic)は、予備の監視手段として使える期間限定の有料サービスを提供していると報じられている。
今後の確認ポイントと残る論点
今後の焦点は、KYTなどの復旧が計画どおり進むかどうか、露出した情報の範囲がこれ以上広がらないかどうかの2点になる。同社は初報から短期間で被害範囲を修正しており、追加の更新が出る可能性もある。
分析企業のデータは取引所や企業が資金の流れを確認する際に使われるため、サービスの停止が長引けば利用者や事業者の業務にも影響しうる。同社は、攻撃が業界全体でAIを使う手口の増加と関係している可能性にも初報で触れていた。
よくある質問
- Q.チェイナリシスの情報漏えいで、どの情報が露出した?
- A.同社の11月4日の更新によると、全ユーザーの氏名、ユーザー名、パスワードハッシュ、ライブトークンが露出した。一部の顧客ではパスワードそのものも露出したとしている。
- Q.KYTの復旧はいつから始まる?
- A.同社は米東部時間11月5日に復旧を始める方針を示した。ただし、日本時間11月6日時点で公式ブログに復旧開始の記載はないと報じられている。
- Q.利用者は何をすればよい?
- A.同社は、信頼できるIPアドレスの許可リスト登録、パスワードの再設定、必要に応じたAPIキーの更新を案内している。同じパスワードを他のサービスで使っている場合も変更が呼びかけられている。
出典・参考情報
- CointelegraphChainalysis、侵害でパスワードハッシュと有効なトークンが露出と公表
原題: Chainalysis says breach exposed password hashes and live tokens
- CoinPostチェイナリシス、全ユーザーのパスワードハッシュと認証トークンが露出 KYTも一時停止
原題: チェイナリシス、全ユーザーのパスワードハッシュ露出 KYTも停止
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