バイナンス流出後のBTC下落は過去事例で中程度、クリプトクアント分析

暗号資産分析企業のクリプトクアントは、10月29日のバイナンスの大規模ハッキング後にビットコイン(BTC)が112時間で最大5.7%下落したと分析した。過去38件の取引所ハッキングと比べると中程度の水準だという。流出資金のフローは落ち着きつつあるとし、ステーブルコインの凍結で流出額の約42.5%が止められたと伝えている。
この記事のポイント
- CryptoQuantによると、ハッキング後112時間のBTCの最大下落率は5.7%だった
- 過去38件の取引所ハッキングの中央値は−3.9%で、今回は中位に位置する
- 流出額の約42.5%がテザー社とサークル社のステーブルコイン凍結で止まった
- バイナンスは流出額の約98%を補填したと11月4日に明らかにしたと報じられている
- ビットコインは5日夜から6日未明に下落し、複数の市場要因が指摘されている
基本情報
| 対象 | ビットコイン(BTC) |
|---|---|
| 流出額 | バイナンスのホットウォレットから約63億ドル相当 |
| 事件発生 | 10月29日 |
| 分析主体 | クリプトクアント(週間市場レポート、4日発表) |
| 最大下落率 | ハッキング後112時間で5.7%(報道による) |
| 比較対象 | 2014年以降の2,000万ドル以上の取引所ハッキング38件 |
| 補填 | 流出額の約98%を補填したとバイナンスが4日に明らかにした |
記事作成時点の価格
記事作成時点(2026/11/06 10:40)の価格。出典: CoinGecko最新の価格ではありません(時刻は日本時間)。
| 銘柄 | 価格(米ドル) | 価格(円) | 24時間の変化率 |
|---|---|---|---|
| BTCビットコイン | $76,111 | ¥12,019,575 | -5.51% |
| ETHイーサリアム | $2,239 | ¥353,583 | -7.58% |
CryptoQuantが分析したバイナンス流出後のBTC下落幅
暗号資産分析企業のクリプトクアントは11月4日に公表した週間市場レポートで、10月29日に起きたバイナンスの大規模ハッキング後の資金の流れと価格動向を分析した。報道によると、ハッキング発生から112時間でのビットコイン(BTC)の最大下落幅は5.7%だった。
同社は、2014年以降に2,000万ドル以上の被害を伴った38件の取引所ハッキングと比較し、今回の下落幅は中程度の水準に位置すると評価した。38件の中央値は−3.9%で、バイビット(2025年、−13.6%)やコインチェック(2018年、−9.9%)など14件では今回より大きな下落が見られたという。
流出資金の一部はすでに凍結されている。クリプトクアントはオンチェーンで約26.8億ドル相当、流出額の42.5%が、テザー社とサークル社によるステーブルコインの凍結で止められたと伝えている。バイナンスも流出額の約98%を補填したと4日に明らかにしている。
バイナンスの流出資金と準備金の推移、勢いは弱まる
出金が再開された11月1〜2日には、バイナンスからの純流出が続いた。集計によると、ビットコインは25,793BTC(同取引所準備金の3.6%)、イーサリアム(ETH)は273,094ETH(7.8%)が流出したとされる。
一方で流出の勢いは弱まりつつある。11月3日時点ではETH、USDT、USDCが純流入に転じ、ビットコインのみ3,640BTCの小幅な流出が続いたという。10月28日以降の準備資産は、ビットコインで7.7%、USDCで52%減少したと報じられている。
クリプトクアントは、先週のオンチェーン指標に大きな変化はなく、ハッキングによる資金フローの影響も薄れつつあると述べた。見かけ上の需要の縮小やコインベース・プレミアムのマイナス化なども、先週から大きく変わっていないと指摘している。
市場の見方と下値目安、ホーガン氏の評価と下落要因
クリプトクアントは基本シナリオとして、ビットコインが7万6,000〜7万8,000ドルの水準を維持するとの見方を示した。7万6,300ドルを下回って引けた場合は、200日移動平均線の7万3,205ドルが次の下値の目安になるとしている。
米運用会社ビットワイズのマット・ホーガン投資責任者は4日付のメモで、バイナンスのハッキングがビットコイン相場に影響しないとの見方を示した。過去の大規模ハッキング10件の後では、ビットコインは上昇と下落が5件ずつだったと指摘している。
一方で、5日夜から6日未明にかけてビットコインは下落した。報道では、米中間選挙で勝利した民主党が米SECの権限を強化する法案の検討を始めたとされることや、米株式市場でハイテク株が大幅に下落したことなど、複数の要因が指摘されている。ただし、下落の直接の原因は明らかにされていない。
今後の確認ポイント、補填と凍結状況の続報に注目
今後は、流出資金の凍結状況やバイナンスによる補填の進捗、取引所の準備資産の推移が焦点になる。ハッキングの影響と、マクロ経済や規制をめぐる報道のどちらが相場に作用しているのかは切り分けが難しく、各媒体の続報や公式発表を継続して確認する必要がある。
クリプトクアントの見通しは同社の分析に基づくシナリオであり、確定的な予測ではない。報道の時点と発表元を確認したうえで、情報を読み解くことが求められる。
よくある質問
- Q.バイナンスのハッキング後、ビットコインは何%下落した?
- A.CryptoQuantの分析では、ハッキング発生から112時間でのビットコインの最大下落幅は5.7%だった。2014年以降の38件の取引所ハッキング事例では中位で、中央値は−3.9%とされる。
- Q.流出した資金はどのくらい凍結された?
- A.CryptoQuantは、オンチェーンで約26.8億ドル相当、流出額の42.5%がテザー社とサークル社により凍結されたと伝えている。バイナンスは流出額の約98%を補填したと4日に明らかにした。
- Q.ビットコインの今後の下値の目安はどこ?
- A.CryptoQuantは基本シナリオとして7万6,000〜7万8,000ドルの維持を見ており、7万6,300ドルを下回った場合は200日移動平均線の7万3,205ドルを次の目途としている。これは同社の見方である。
出典・参考情報
- CoinPostバイナンス流出後112時間のビットコイン下落、過去事例では中程度
原題: バイナンス流出後112時間のビットコイン下落、過去事例では中程度=クリプトクアント
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